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甘草

(カンゾウ)

甘草

 

甘草の根及びストロンで、ときには周皮を除いたものです。中国の東北部、西北部、蒙古、シベリアと広く分布する多年生草本です。乾燥したひなびた草原又は河川流域の砂質粘土地に生じる野生種から殆ど得られます。洋の東西を通じ、古代から広く薬用に供されてきました。日本には奈良朝時代に唐朝の文化と共に渡来しました。
 

有効成分

 

成分はグリチルリチン(グリチルリチン酸)をおよそ2~6%を含みます。グリチルリチンはショ糖の150倍の甘さがあります。その他フラボノイド配糖体のイソリクイリチン及びその非糖体イソリクイチリゲニンなどを含みます。
 

薬理作用

 

薬理作用として、胃潰瘍の潰瘍修復作用、抗炎症作用、抗アレルギー作用、解毒作用、高脂血症改善作用、免疫賦活作用、鎮けい、鎮静作用、肝保護作用、肝障害抑制作用、去痰作用などが認められています。
 用途は漢方処方薬の重要な薬で、風邪薬、解熱鎮痛消炎薬、鎮痛鎮けい薬、鎮咳去痰薬、健胃消化薬、止瀉整腸薬とみなされる処方及びその他の処方に極めて高頻度で配合されています。

 

偽アルドステロン症

 

甘草には偽アルドステロン症(低カリウム血症、血圧上昇、浮腫、体重増加)という有名な副作用がありますが、よほど大量を長期連用しないとあらわれないと思われます。しかし、漢方薬といえども他の医薬品との併用や、体質によって副作用があるということも知っておくべきでしょう。

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